家族間で意見が違う地主様

大通りに一部分だけ畑のまま取り残されている土地がありました。地主様はお母様と二人暮らしでした。地主様は土地活用をご希望でしたが、お母様は猛反対されていて、その話になると喧嘩になるので、その件には触れる事が出来なかったようです。
私が初めて訪問した際も、土地活用の件と知るとお母様は目も合わせてくれませんでした。

何度も訪問を重ねて、少しずつお話をして頂けるようになり、土地活用に何故反対なのかをお尋ねすると、お父様の代にアパート経営をしており、建築費の借入を【借入＝借金】という考えが強くある事が分かりました。ご高齢のお母様でしたので、収支のお話は難しくアパート経営の方は借入の返済が終わり今は利益がどの位出ているのか、テナント誘致の際には借入と収入について等、ご理解頂けるまで何度も丁寧にお伝えしました。

私自身、他業種から不動産の世界に飛び込んだので、お母様が分からない部分がどこか疑問点等が分かり、なるべく簡単な言葉や例えで話す事が出来、ご理解頂けたと思います。
お母様にも同意を得られ、契約、オープンすることが出来、プレオープンの際には仲良くなったお母様のお友達もご招待してみんなでお食事をしました。

地主様には、自分だったら母を説得する事が出来なかったので感謝しかないと言って頂きました。今までも良いお話が度々あったそうですが、お母様に反対されお断りしていたそうです。収入に余裕が出来た地主様は会社を早期退職され、畑仕事が辛くなってきたお母様のお手伝いをされているそうです。時間を見つけては店舗の周辺の掃除や草むしりまでして頂ける程、店舗にも愛着を持って頂いているとの事でした。